病気や症状を直接治すための薬は、たとえ症状が緩和した場合にも医師の指示通り内服する必要があります。
抗ウイルス薬や抗菌剤が処方された場合には、食前(空腹時)に!ほかの薬とは別(単独)に!内服することをおすすめします。
抗ウイルス薬や抗菌剤には苦みのある薬も多く、飲んでもらうのに苦戦することがあります。
しかし、これらの薬は病気を直接治す大事な薬のため、食後のおなかがいっぱいのときよりも嫌がらずに内服してもらえる空腹時に!薬の量を最小限に確実に内服できるように単独で!内服するようにしてみてください。
以下に様々な薬について説明していきます。
1.粉薬
粉薬のメリット
・体重に合わせて量を適切に調節することができる
・1回分ずつ小分けにされて扱いやすい
・粉薬のなかでもドライシロップは水に溶かすとシロップとして服用することもできる
赤ちゃんの場合はごく少量の水を含ませて小さなお団子を作り、それをお子さんの頬の内側や上あごにすりつけます。その後、水分をとったり授乳することで少しずつ薬を溶かしながら内服できます。
粉薬が苦手なお子さんは、薬を飲みやすくする市販のゼリーを活用するとスムーズに内服できることが多いです。
2.シロップ
乳児の場合は市販のスポイトを使って舌の上に何回かに分けて垂らし、スプーンで離乳食を食べられる月齢のお子さんの場合はスプーンで数回に分けてあげましょう。
シロップは成分が沈殿しやすいため、内服前に薬を混ぜてから飲ませてあげてください。
また、糖分が多く雑菌が繁殖しやすいため、7~10日以上過ぎたものは与えず破棄しましょう。
3.解熱剤
解熱剤は風邪を直接治す薬ではなく、高熱、不機嫌、体力の消耗といった苦痛をやわらげ回復を助けるための薬です。
風邪の勢いが強い場合、解熱剤を使用してもなかなか熱が下がらないこともありますが、平熱まで下げることが目標ではなく、からだが少しでも楽になったタイミングで、水分摂取や安静を促し回復を助けてあげるために使用します。
一般に37.5℃以上を発熱と考えますが高熱でも機嫌が良く水分や睡眠がとれている場合には必ずしも解熱剤を使用する必要はありません。
4.座薬
包装から坐薬を取り出し、尖っている先端にワセリン、ベビオイル、サラダ油など潤滑材になるものを少量付け、おしりの穴にゆっくり入れてあげます。
おしりの穴に入れた後は、坐薬が出てこないように1~2分ほどティッシュで押さえてあげましょう。
※坐薬がすぐに出てきてしまったときは再度入れ直し、10~15分くらいして出た場合にはある程度吸収されているため、指示の投与間隔よりも2時間くらい早いところで、症状が続いていた場合には再度使用してあげてください。
5.服薬回数
保育園・幼稚園や学校からの帰宅時間が遅く、昼分の薬が内服できないとご相談をいただくことが多くあります。
お子さんの体調や薬によって1日2回に変更できる場合もありますが、1日3回の内服が適切な場合には、昼分は保育園・幼稚園や学校から帰宅した直後、夕分は就寝前に内服していただくようお伝えしています。
それでも1日3回の内服が難しい場合は、ご相談ください。
6.保湿剤
お風呂上りや拭いた後の清潔な皮膚に塗りましょう。
お風呂上りは5分以内(乾燥が始まる前)に塗るのがおすすめです。
皮膚のしわに沿ってすり込むように塗りましょう。
保湿剤には軟膏、クリーム、ローションがあります。
軟膏は油分が多くベタつき、ローションは水分が多くサラっと使えます。
湿度の低い秋・冬は軟膏やクリーム、湿度が上がる春・夏はローションなど、季節によって使い分けてることもできます。
他の軟膏と保湿剤を同時に塗る場合、一般に塗る面積が広いほうから先に塗ります。
例:ステロイド外用剤と保湿剤の併用では、塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹部分だけに塗ります。軟膏やクリーム、病気などによっては順序が異なる場合もあるので注意してください。
7.点眼
お子さんを仰向けに寝かせ、保護者はお子さんの頭を挟むように正座します。
お子さんの頭を保護者の膝で挟んで固定し、目頭に数滴目薬をたらします。
その後は、姿勢を保持したままお子さんが瞬きするのを待ちます。
両手やからだを抑えていてくれる方がいるとより安全にさせるので可能な場合は協力してもらいましょう。
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