溶連菌感染症

1.溶連菌とは

 溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、α溶血とβ溶血を呈する2種類があり、後者でヒトに病原性を有するものは、A群、B群、C群、G群などです。溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです。したがって、一般にはA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)による感染症を溶連菌感染症として理解されているといってもよいでしょう。主に“のど”に感染して、咽頭炎や扁桃炎、それに小さく紅い発疹を伴う場合があります。


2.症状、治療について 

 溶血性連鎖球菌という細菌に感染し、主にのどや扁桃腺に炎症を起こし、発熱・のどの痛み・首のリンパ節の腫れ・からだの発疹やかゆみなどの症状が現れます。咳や鼻水はあまり目立たないことが多いです。

 細菌感染症のため抗菌薬(抗生剤・抗生物質)で治療します。肺炎・敗血症・リウマチ熱・急性糸球体腎炎など、重篤な合併症を引き起こすおそれがあり、それらを予防するために決められた期間(5~10日)、抗菌薬を内服する必要があります。


3.ホームケア

・高熱やのどの痛みで水分がとりづらくなるため、適宜、解熱鎮痛剤を使い、からだが楽になったタイミングで水分をとりましょう。

・一般的な風邪と同様に手洗い・うがいの励行、マスクの着用が推奨されます。

・ご家族や周りの方で溶連菌感染症を疑う症状が出現した際には医療機関を受診してください。

・発症後1~2週間して、からだのむくみや尿量減少、血尿などの症状があらわれた場合は早急に受診してください。

登園・登校の基準は、抗菌薬内服後24時間経過し、全身状態が良好であれば登園・登校が認められます。

ファミリークリニックあざみ野