アデノウイルス感染症

1.アデノウイルスとは

アデノウイルスは、多様な型があり、感染する体の場所によって様々な症状を引き起こします。例えば、鼻水や鼻づまりといった風邪に似た呼吸器症状や、眼に感染した場合は目やにやかゆみを引き起こす流行性角結膜炎、のどの痛みを特徴とする咽頭結膜熱(プール熱)、嘔吐や下痢を引き起こす急性胃腸炎などがあります。

 特に夏には咽頭結膜熱が流行しやすく、プールの水やタオルなどを介して感染が広がるためプール熱と呼ばれるものが有名ですが、夏だけに感染するわけではないので、年間を通して注意の必要な病気です。


2.症状

鼻水、咳、発熱、嘔吐、下痢、腹痛、目の充血があります。発熱が5日程度続くことが多く、経過が長くなりやすいのが特徴です。

しかし、特効薬はないため、治療は一般的な風邪と同様に、水分摂取や安静、つらい症状に対する薬を使用しながら自然に治るのを待ちます。


3.ホームケア

・高熱やのどの痛みで水分がとりづらくなるため、適宜、解熱鎮痛剤を使い、からだが楽になったタイミングで水分をとりましょう。

・アデノウイルスは便からも排出されるため、おむつ交換の後やトイレの後はしっかり手洗いしましょう。

アデノウイルス感染症のなかで、①発熱、②のどの炎症、③目の症状(目やに、目の充血・痛みなど)の3つが揃うものが「プール熱(=咽頭結膜熱)」と診断されます

プール熱と診断された場合、学校保健安全法の登園・登校基準が適応されます。

発熱、のどの症状、目の症状がすべてなくなった日から2日過ぎていること、プール熱ではないアデノウイルス感染症の場合は、解熱し全身状態が良ければ、登園・登校が認められます。

ファミリークリニックあざみ野