乳児、幼児の便秘

何らかの原因で、排便回数や排便量が減少した状態、排便に努力や苦痛を伴う状態を便秘といいます。


1.便秘の原因

便秘の原因には運動不足、食事の時間帯が不規則、朝食をとらない、入園・入学などの環境の変化、ストレスなどがありますが、乳児期に限定すると、

・離乳食が開始になって便の状態が変わる

 離乳食が始まると母乳やミルクだけだった頃に比べて水分をとる量が減ったり、便のカサが増えるため便秘になりやすい

・母乳から人工乳へ移行

 母乳に比べて人工乳のほうが便の水分量が減り便が硬くなりやすい

薬物療法とあわせて生活習慣の見直しを行います


2.ホームケア

・離乳食の内容や哺乳量、活動量を見直しましょう。

 便秘を理由に離乳食の段階を下げる必要はありません。

 離乳食に根菜やきのこ、海藻、果物、発酵食品を取り入れてみましょう。

 ミルクや水、お茶など、水分を多くとり、遊びでからだを動かして排便を促していきます。

・適宜、綿棒浣腸で排便やおならを促しましょう。


3.綿棒浣腸の方法

綿棒の先にワセリンやベビーオイルなどを塗り、肛門に2~3cmくらい挿入し、円を描くように綿棒を動かして肛門まわりを刺激します。

綿棒の先に抵抗を感じる場合は、それ以上先に進めないようにしましょう。

あわせておなかをのの字にマッサージするとより効果的です!

おならだけでもおなかの張りが改善し楽になります。


4.トイレトレーニングについて

 適齢期になりおむつはずし、トイレトレーニングを始めると便秘になってしまうことがあります。

・自信がもてるトイレトレーニングを継続する。

トイレトレーニングの成功体験を重ねる!そのためには、ご家族の工夫や忍耐強いサポートが必須です。お子さんが安心して排便できるよう日頃から便秘になりにくい生活習慣を保ち、“自分でできた”ことを認める関わりを通して自信をもって排便できるようになり便秘を予防します。

・毎朝または毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつける。

 朝食が最適ですが、落ち着いてトイレにいられる時間帯にトイレトレーニングをしましょう。(食後30分くらいが最も便意を感じやすくトイレトレーニングに適しています)

・根菜やきのこ、海藻、果物、発酵食品を積極的にとりましょう。

・おなかを冷やさないようにしましょう。

・適宜、内服薬や浣腸を使う。

ファミリークリニックあざみ野