慢性咳嗽、咳喘息について

慢性咳嗽(慢性的な咳)について 

慢性咳嗽とは、「8週間以上続く咳」のことをいいます。しかし、一般的な風邪の咳は1〜2週間程度で治まることが多いため、3週間以上続く咳を慢性咳嗽と表現するほうが一般の感覚に近いでしょう。「風邪から回復し熱やその他の症状は消えたのに、咳だけが数週間続いている」いうのが慢性咳嗽でよくあるケースです。 

咳喘息について

慢性咳嗽の原因の40%以上は「咳喘息」です。咳喘息の正確な原因はまだ明らかになっていません。しかし、通常の喘息と同様に、気道へのアレルギー反応が強く現れ、気道が非常に敏感になることが特徴です。このため、「電話に出る」「人と話そうとする」などのわずかな刺激でも咳が出やすくなります。喘息との主な違いは、咳喘息では「喘鳴」という気道が狭まるヒューヒュー、ゼーゼーとした音が出ないことです。

咳喘息を確実に診断する特定の検査はありません。しかし、「夜間や早朝に咳が悪化する」「少しの会話で咳が誘発される」といった症状がある場合、他の病気(例:肺炎)が考えられなければ、咳喘息の可能性が高いです。肺炎では発熱が持続したり、全身の倦怠感や酸素飽和度の低下を伴いますが、咳喘息では一般にそのような症状を伴いません。

咳喘息の治療

咳喘息に対しては、一般的な咳止めの効果は低いです。治療としては、気管支を広げる薬や吸入ステロイドが用いられます。気道の状態が安定するまでには時間がかかるため、最低でも1ヶ月間は吸入治療を続けることをおすすめします。また一度咳喘息になった人は風邪をひいた時などに再び咳喘息を起こすことが多いため、風邪をひいたら吸入薬の治療を開始するなど、予防につとめることも大切です。

ファミリークリニックあざみ野